読者の海外風俗体験記

第1170回 いきり立ったが吉日・2006 ~帰郷~(三日目) by ECE


One night carnival

今日も目を覚ましたのは昼前だった。まるで昨日の焼き直しのように彼女が寝息をたてて小生にしがみつくように寝ていた。これまた昨日のようにドアの下の隙間から「いつもの場所にいます」とメモが置いてあった。小生はこっそりベッドを出ると、彼女を眺めながら愚息をしごき始めた。時には普通のセックスなんかよりも、オナニーの方が燃えるもんさ。

途中で目を覚ました彼女も、彼女自身をいじり始めた。オナニーの見せ合いっこだ。さらに燃えるし、萌える。目の前にカワイイ女が裸でいるのに、一切触れることなくオナニーなんて真性Mの小生にはたまらない行為だ。愚息はあっという間にギブアップ。こんな気持ちいいオナニーは久しぶりだ。

今日も今からプールに行かなきゃいけないと彼女に伝えると、プールまでついてくる。もっとも水着もないからすぐに帰ったけどね。本当にチコがプールにいるのか確認していたようだ。嫉妬深いんだね、この娘ったら。それも含めてかわいいもんさ。この日は昨夜金を使いすぎたせいで1000バーツ2枚を折り畳んで渡した。やっぱり幾らあるかも確認せずにいたけどね。もうかなりの勢いで金を遣っていたんだよ。毎年言うが、王様を解放できる身代金くらいね。ほんと1日ちょっとで、日本から持ってきた金の半分くらい遣っていたのさ。少し節約しないとね。

さて、どうでもいい話だが、鎖骨を骨折するとクロールよりも平泳ぎの方が痛いことが判明した。やっぱり泳ぐにはまだ早そうだ。今日もプールサイドで横になると、身体からアルコールを抜く為に静養した。昨日も飲みすぎたからね。ちなみに、朝一番のオシッコは昨夜にたらふく飲んだジャックソーダそのもののような色をして泡立てながら、便器へと吸い込まれていった。小生の膀胱もパンパンだったんだ。大金払って酒飲んで、それを体内でオシッコに変換して、地球に還す。

日本でも給料やボーナスの大半はそうやって消えていく。そして結局何も残らない。だから、いい歳なのに車も家もないし保険にだって入っていない。小生、刹那主義者だからね。その場がよければ、それでいいのさ。人生設計なんてクソ喰らえさ。どうせ青図を引いたって、その通りにいかないんだからさ。青図通りにいってたら、今頃巨人で4番を打ってるよ!!

昼過ぎにプールから引き上げると、ラーメンを食べにタニヤに行こうとチコが言ってきた。別にすることもないし、仰せの通り馴染みのラーメン屋に行ったんだけどね。チコはラーメンじゃなくて、肉野菜定食を注文しやがったのよ。別にここまで来なくたっていいじゃんかよ。

まぁ、本当にすることがないからいいんだけどね。小生はちょっとした野暮用があったんで、チコとはここで別れて用を済ませると、この旅初のバイタクに乗ってホテルに帰ってきた。チコと一緒だとバイタクには乗れないんだよ。チコはバイタクが大嫌いだからね。あんな便利で安くてスピーディーで恐ろしい乗り物を嫌うなんて、人生の半分は損してるよ。みんなも一度乗ってみるといいさ。何時間も並んで乗るタワー・オブ・テラーなんて馬鹿らしく思うハズだからさ。

ホテルに戻ってきたのは、もう夕方近くになっていたよ。身体がソワソワする。酒が飲みたい。身体からアルコールが抜けた瞬間から酒を身体が欲するんだよ。アル中の禁断症状ってヤツだ。とりあえず、アリバイの看護婦たちに、アルコールのお注射を打ってもらおう。小生の中では、アリバイがバンコクでの精神病院代わりなんだ。

アリバイに着くや否や、挨拶代わりにティンカーベルを鳴らしてやったさ。小生が来た合図みたいなもんよ。すると、店内はまた大騒ぎ。たぶん、アリバイでも1人で4500バーツ遣った奴なんて、未だかつて居なかっただろう。まだ、太陽が出ている時間帯ぐらいは節約しなければ、と思っていた小生だったが、どうやらそんなのは無理難題のようだ。今から東大を目指せと言われてるようなもんさ。

今日も小生の周りには、昨日のウエイトレス達が群がり、ドリンクをおごれとかペイバーしろだとかしつこくまとわりついてきたが、こいつらは何故かウザくないんだよね。かわいいもんさ。で、結局ゲームに持ち込まれる。昨日は惨敗したおかげで、何となくルールはわかったよ。よし、勝負だ。するとやっぱり賭けを挑んできた。「よし、わかった。小生が負けたらお前らにドリンクを1杯おごってやろう。その代わり、小生が勝ったらその伝票を破くぞ」と言うと、「ノーノーノー」だってさ。

じゃあ小生が勝ったらどうすんだって詰め寄ると、みんながキスしてくれるというじゃないか。別にキスをされて嬉しいような容姿の娘たちばかりじゃなかったけど、その賭けに乗ることにしたよ。とにかく馬鹿騒ぎをしたかったさ。勝負は五分五分だったよ。小生がドリンクをおごったり、一度に5人くらいのウエイトレスにキスされたりと。そして、ペイバーしろと脅迫されたり。

今日は予定があるから明日ペイバーするよと、はぐらかしたり。でも、予定は本当にあったんだ。ナナプラザのゴーゴーバー巡りという予定がね。そうこうしているうちにチコもやってきたよ。チコはこのアリバイの娘とブードゥーの前でビリヤードを楽しんでいたよ。小生は相変わらず酒浸りだったが、この程度の酔い加減ならまだイケるかもという、まるで空腹の大蛇の如き野心が、急に頭の中に、その首をグッともたげてきた。ゴロゴロという鳴き声をしながら、愚息が嘶(いなな)きたいとせがんでくる。

せっかくバンコクくんだりまで来たんだから、しっかりオッパメとかないとな。いつしか今年の小生の旅は女から酒へと移りにけりないたずらに。さっきブードゥーでトイレを借りたときに、めちゃめちゃカワイイ娘がいたことはチェック済み。まだ7時と早かったが、これ以上飲むと本格的にEDになってしまう。今ならまだ何とかなるかもしれない。面目躍起だ。よし、さっきのブードゥーの娘でもペイバーするか。チコとはここで別れて、その娘を連れてホテルに一度戻ることにした。

ただね、甘かったよ。読みが。まだ何とかなるかもしれないと思っていた小生の愚息だったが、部屋に着いた時にはもう既に氣志團のような格好をしていた。「立て!! 立つんだジョー!!」と叫んだところで、氣志團がいうことを聞くハズもなかった。これが三十路の壁というやつか。彼女には何の罪も無いのにさ。優しくて、かわいくて、小生の愚息を親身になってくれたのが、逆に悪いことをさせてしまった気がするよ。情けないよな。タチの悪いオヤジと、言うよりは、立ちの悪いオヤジだな。ちょい不良オヤジなんてもんじゃないよ。2~3年前の「いきり立ったが吉日」を読み返すと、とても同じ人間が書いてるなんて思えないよな。若いつもりが歳をとったもんだ。

でもな、こうなりゃ逆ギレよ。もう、怖いもんなしさ。今夜は完全に女を諦めて、酒に専念することができるじゃねーか。飲んで、飲んで、飲み倒してやるよ!! チコとはもう別れていたことだし、今夜もブレーキのついていない車に乗り込んでやるよ。

とりあえず一度アリバイに戻ることにした。小生のベースキャンプだ。すると、お前の友達はアリバイの女を2人ペイバーして3人でディスコに行ったと教えられた。こういう馴染みの店を1軒でも作っておくと、チコと小生の媒介になる。携帯なんてなくてもリアルタイムでチコの足跡がわかる。

なかなか便利だ。ただ、アリバイに残っている面子をみると、どうやら連れ出した2人というのはブザイクな奴らのようだ。さすが、ブス専のチコさんだな。再びアリバイで酒を飲みはじめたのだが、お前は予定があるんじゃなかったのかと詰め寄られた。こういうときは言葉が解らないフリをするのが一番だ。まるで、さっきご飯を食べたばかりなのに、「嫁がご飯を食べさせてくれない」と嘆く痴呆症の姑のように。いいじゃんかよ、小生の金でタダ酒が飲めるんだから。この日もさんざんアリバイにバーツを投下して店を後にした。

もうすっかり泥酔して満腹中枢が麻痺していた小生は、ナナプラザ入口にある屋台のハンバーガーを路上でしゃがみこんで食っていると、日本人2人組が声を掛けてきた。

「すいません、日本の方ですよね?」

「そうだよ。何か?」

ハンバーガーをかじりながら、口のまわりにケチャップをつけたままマヌケな顔をして聞き返した。

「実は、初めてなんですよ。ナナプラザ。どういう遊びができるんですかね?」

「お兄ちゃんたち何処に泊まってるの?」

「カオサンです」

カオサンか。こいつら典型的なバックパッカーだな。小生も学生時代に沢木耕太郎に憧れてカオサンに拠点を置き、インドシナ半島を鉄道で旅をしていたことがある。あの時はゴーゴーバーなんて知りもしなかった。ましてや、ナナプラザなんて単語もシステムも全く知らなかった。小生、一体いつからこういう人間になってしまったんだろうか。

初めてナナプラザを訪れる興奮を小生は羨ましかった。彼らの目は興味深々で輝いていた。きっと4年前に初めてナナプラザを訪れた小生も、こういう目をしていたに違いない。

「カオサンか。それじゃあペイバーは無理だな。ペイバー? ああ、連れ出しのことだよ。気に入った娘がいれば、金さえ払えば店から連れ出せるんだよ。その後? それはその娘との交渉次第だな。ただ、カオサンは遠すぎる。だから、もし気に入った娘がいれば3階に連れ込み宿があるから、そこでコトを済ませるんだな。ただな、兄ちゃんたち。かわいいオカマがウヨウヨしてるから、そいつらには十分注意するんだぜ。せいぜい気をつけな」

そういって口の周りのケチャップをペーパーナプキンで颯爽と拭き取ると、再び小生はG―SPOTへ踵を返した。 入店すると、まるでアイドルが来たかのように大勢のウエイトレス達が小生に群がり、小生のお気に入りのVIP席へ案内してくれた。もうここは小生の我が家みたいなもんだし、DJやウエイトレス達は家族のような存在だ。すっかり泥酔していた小生に怖いもんなんて何もない。

チコと別れた小生はブレーキの付いていない車のアクセルを、これでもかと踏み続けた。酩酊なんてかわいいもんじゃない、前後不覚の泥酔だ。小生が暴走するといつもチコがブレーキをかけていたんだよ。当然、ブレーキのない車は止まりたくなったら、ガードレールにぶつけるしかない。それはリスクを伴って、時には廃車になるかもしれない。

宵越しの銭は持たない主義の小生は、みんなに奢ってやったよ。本当に、みんなにな。だって、テーブルの上にグラスがのりきらなかったんだからさ。自分の心の中にある、あの鐘を鳴らしたような感じだよ。チップも改めて配りまくったよ。DJには好きな曲がかかる度に100バーツずつ渡したもんだから、DJだって小生の好きな曲ばかりリピートしていたよ。

お互いに好都合だったんだな。本当の自由を手にしたような喜びを噛み締め、ジャックソーダが身体の中にどんどん染み込んでいった。そして、周りにはゴーゴーギャルではなく、ウエイトレス達をはべらせていた。いつの間にか小生の目的は女から酒へと変わっていた。楽しければ、もう何でもいい。本当の自由が欲しかったのだ。携帯を気にしながら、時間を気にしながら、〆切を気にしながらという日常から抜け出たことに本当の喜びを覚えていた。

だから、みんなにも喜びをわかち合いたくて、とにかくドリンクを奢りまくった。そこに、店の入口から恐る恐る店内の様子を伺っている日本人2人組を見つけた。さっきの2人だ。小生は踊りながら、酒を飲みながら手招きし、2人を迎えいれた。そして、隣のテーブルにつかせ、ゴーゴーバーでの遊び方を身をもって教えてあげたんだ。

きっとゴーゴーバー初心者には似つかわしくない先生だったかもしれないね。金の遣い方が半端じゃなかったからね。ニシオカ君、タカハシ君、アレをスタンダードに捉えちゃダメだよ。アレはキチガイな日本のサラリーマンが1年に一度の夏祭りを謳歌している姿だからね。

しばらくすると彼らはホテルに帰るというので、彼らの分の伝票を取り上げ、これからの旅の成功を祈願した。まだアジアを旅して周るようだが、とりあえず明日もナナプラザに来るから明日はおごらせて欲しいと丁重にお礼を言って帰っていった。きっと彼らも「深夜特急」の犠牲者かもしれないな。本当にアノ本は有害図書だよ。

さて、小生もさんざん遊び倒した所で会計をしてみると、何と、1万バーツを超えていた。タイのOLの2か月半分の給料を僅か1時間くらいで使ったことになる。

ただ、あれだけ楽しませてもらったんだから安いもんよ。キャッシュで1万バーツを支払うと、店の奥の方からママやら支配人やらオーナーやら専務たちが次々と挨拶にやってきた。きっと1人で使った金額の最高記録だろうな。コレで小生はG-SPOTのレコードホルダーだよ。

誰かこの記録を破ってみな!! どうやったらゴーゴーバーで1万バーツも使えるのか、小生だって知りたいもんだよ。

みんなの海外風俗体験記を募集中です!投稿は こちら!から